4.ゲーム形式と賭け額のルール
《ゲーム形式》
ポーカーは大別して2種類のゲーム形式が存在します。
1.リングゲーム
2.トーナメント
「リングゲーム」とは海外カジノ等のポーカールームで行われている一般的なスタイルで、各参加者が任意の量のチップを購入(バイイン)し、1ゲームごとの勝者が得たポットがそのまま賞金となるものです。
もう一つの「トーナメント」とは、所定の参加費を支払うことで参加者全員が同じチップ量を持ってゲームを開始し、誰かが全てのチップを独占するまで行われるサバイバル形式で進められます。そのため賞金を得られるのは上位まで生き残った人となります。
また、トーナメントの大きな特徴として時間経過による「ブラインド額の上昇ルール」があります。
これは、いつまで経っても勝負を避ける参加者に対するプレッシャーとして機能し、必然的にスリリングな展開へと導かれます。
なお、最近のトーナメントは一度敗退しても、参加費を再度払う(リバイ)ことで試合に復帰できるものや、事前に行われた予選の成績をポイント化し、その量に応じて本戦のスタートチップに差をつけるといった形式も見られます。
いずれにせよ、「リングゲーム」と「トーナメント」では最終的に勝利するための条件が異なることに着目しておくべきでしょう。
リングゲーム:勝負に参加しないと賞金がもらえないので、積極的な展開になりやすい
トーナメント:勝負に参加しなくても賞金がもらえる可能性があるため、消極的な展開になりやすい
つまり、リングゲームは少しでもチャンスがあれば勝負に参加し、大きなポットを獲得するために策を練る事になる反面、トーナメントでは可能な限りリスクの高い勝負を避け、最小限の勝負で生き延びることが肝要になるのです。
《賭け額のルール》
ポーカーでは賭け額の提示ルールにもいくつかの形式があります。
主な形式として以下の3種類が挙げられます。
1.フィックスド・リミット(Fixed Limit: 略してFL)
2.ノー・リミット(No Limit: 略してNL)
3.ポット・リミット(Pot Limit: 略してPL)
1.フィックスド・リミット(Fixed Limit)
長らくカジノのポーカールームで採用されてきた形式です。
ポーカーの持つギャンブル性を抑え、手役の勝負に持ち込みやすいことから、最初にポーカーを学びたい人や、ゆっくりとしたペースでプレイしたい人に向いています。
ベットやレイズする際の引き上げ額が固定(フィックス)されているのが特徴で、加えてベットとレイズの回数合計が一定に達した時点(例:1ベット+3レイズなど)で「キャップ」となり、同ラウンドではそれ以上のレイズができなくなります。
[賭け額の推移例]
ブラインド・ベット SB:50、BB:100
プリフロップ(1ラウンド目)、フロップ(2ラウンド目)の賭け額: ビッグ・ブラインド(BB)と同額のみ
※ベット[計100]・・・レイズ[計200]・・・レイズ[計300]・・・レイズ[計400]の順で増加
ターン(3ラウンド目)、リバー(4ラウンド目)の賭け額: ビッグ・ブラインド(BB)の2倍のみ
※ベット[計200]・・・レイズ[計400]・・・レイズ[計600]・・・レイズ[計800]の順で増加
2.ノー・リミット(No Limit)
元々はポーカートーナメントで用いられた形式ですが、2000年以降に起きた世界中のポーカーブームにより、現在では最も標準的なルールとなりました。ただし、ノー・リミットといっても、自身がテーブル上に保有しているチップの範囲で無制限という意味です。
ギャンブル性が高く、一回の勝負で自分の持ちチップを2倍に増やすチャンスがある反面、一瞬で全てのスタック(チップの山)を失う可能性があります。
手役の優劣よりも、ベットやレイズなどのアクションやポジション(席次)の優劣で駆け引きを楽しみたい人や、ダイナミックな勝負を求める人に最適です。
賭けチップを提示する場合は、ビッグ・ブラインドの額以上なら手持ちチップの範囲でいくらでも賭けられます。もし、同ラウンドで次にレイズを行う人は直前に引き上げられた額面以上をさらに上乗せしなければなりません。
フィックスド・リミットのようにターンのラウンドから賭け額を底上げされることもなく、キャップによる打ち止めもありません。
[賭け額の推移例]
ブラインド・ベット SB:50、BB:100
Aさん 400にレイズ (BBの100をコールして、300を上乗せ)
※次にレイズする人は、400にコールした上でAさんが上乗せした300以上の追加が必須
Bさん 1000にレイズ (Aさんの400にコールして、600を上乗せ)
※次にレイズする人は、1000にコールした上でBさんが上乗せした600以上の追加が必須
※ラウンドが変われば最小ベット額はリセットされ、BBと同額から賭けられるようになります
※フロップ以降のラウンドでは、最初にベットされた額面が次のレイズに必要な上乗せ額に相当します
3.ポット・リミット(Pot Limit)
前出のノー・リミットでは、ラウンドの早い段階で大きな賭けを行うプレイヤーが現れることもあり、それが連続すると大雑把で運任せなゲーム展開になることも少なくありません。
そこで、現在のポット額を賭け額の上限としたルールがこのポット・リミット形式です。
賭けチップを提示する場合は、ビッグ・ブラインドの額以上〜現在のポット額で手持ちチップの範囲ならいくらでも賭けられます(その他の条件に関してはノー・リミットと同様)。
このポット・リミットで気をつけなければならないのは、誰かが賭けた後にレイズする場合、自分がコールするために必要な額面分も上乗せできるという事です。
これは本来、レイズとは「相手が提示した額面と同額を出してコールした後に、追加で上積みを行うという」意味だからです。したがって、自分が提示するチップのコールに相当する額面は既にポットへ組み入れられたものと見なし、その分も引き上げられるのです。
[賭け額の推移例]
ブラインド SB:50、BB:100
Aさん 350にレイズ (BBの100をコールした後、SB+BB+自分のBBコール分を上乗せできる)
Bさん 1200にレイズ (Aさんの350にコールした後、SB+BB+Aさんの賭け額+自分のAさんコール分を上乗せできる)
※上記のような、ポット・リミットにおける目一杯の賭けを「ポット・ベット」と呼びます
※ラウンドが変われば最小ベット額はリセットされ、BBと同額から賭けられるようになります
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