6.プレイ時のマナー
ポーカーは複数のプレイヤーが一堂に会して行われるゲームです。
とりわけ、トーナメントなどの大会は雌雄を決する舞台とも言えるため、内容の良い試合で素晴らしい勝者を生み出したいものです。
その為には、事前にプレイに際して基本的なマナーを身につけておくのが良いでしょう。
マナー一覧 | |
1.カードプロテクションの義務 | 5.ハンドに関する発言の制約 |
2.アクションと額面の発声 | |
3.ストリングベットの禁止 | |
4.ショーワン・ショーオールの原則 |
トーナメントの参加には必須
《1.カードプロテクションの義務》
カードプロテクションとは「カードを保護する」という意味で、各人が自身の手札を守らなくてはなりません。
誤った場面でカードの中身を露出してしまったり、カードを手元から遠ざけすぎてディーラーに回収されてしまったりといったケースが、長時間のゲームになるほど起き得ますので気をつけましょう。
もし、仮に上記のようなケースが発生してしまった場合、当該プレイヤーの手札は無効となり、全てフォールド(負け)扱いとなるのが一般的です(カードを誤って回収したディーラーに責はありません)。稀に発生時点でハンドをプレイしている参加者の合意と運営側(トーナメントディレクターやディーラー)の許可により継続が認められる場合もありますが、アヤがついた一勝負で趨勢(すうせい)が決まるのはやはり本意ではありません。
そういった事もあり、現在ではポーカープレイヤー各自が重石のような ”カードプロテクタ”(またはカードガード)と言ったアクセサリーを持参し、カードの上に置くことが認められています。
ちなみに置物は、カード全体を隠さないサイズで、ひと塊で作られている必要があります。
カードを守るのは自分自身
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《2.アクションと額面の発声》
ポーカーは勝負のレベルが上がるほど、互いのプレイヤーが手札の中身や心理状況などを悟られないように神経をすり減らします。
その為、ベットやレイズなどのアクションやその際に提示する額面を声に出さず、動作のみで済まそうとするケースが出て来ます。
しかしながら、対戦する相手側から見るとその動作が確定したものでないと応戦することができません。
例えば300点でコール(ゲームを継続)できる場面で、1000点を無言でおいた場合、”1000点にレイズ”
したいのか ”300点をコールして700点のお釣りをもらいたい” のか不明瞭です。
もしかしたら、上記の二つに解釈できることを利用して、後から都合のいいアクションを選んでしまうかも知れません。
そこでポーカーでは「発声優先」という概念があり、発声があってディーラーがそれを認識した場合、当該プレイヤーはそのアクションを必ず行うことができます(=しなければなりません)。
反対に無言での動作は、以下のような暗黙のルールにより自動的に処置がなされます。
高額チップを無言で置いた場合
すでにベットされている場合は「コール」扱いとし、まだベットが起きていない場合は置いた全額が「ベット」額となる。ただし、レイズに必要な額面を複数のチップで満たし、かつ余分な額面のチップが含まれている場合は、その全額に「レイズ」したいという解釈がなされる。
最低ベット(レイズ)額に満たないチップを無言で置いた場合
コールするべき額面に満たない場合は「コール」扱いとし、まだベットが起きていない場合は最低ベット額での「ベット」と見なす。逆にコール額を満たしているもののレイズ額に満たない場合は、最低額でのレイズとして取り扱われる。
上記は一般的な解釈でハウスルールにより異なる場合もあり得ますから、肝心な場面では無言のアクションを避け、誤解されることが無いように努めたいものです。
また、オールインの場合も手持ちのチップを黙って前に出したり、手の動きだけで全部押し出す仕草をするよりも、はっきりと「オールイン!」と言うのが良いでしょう。
手持ちチップの全てが動き、ポーカーで最も過激なアクションでもあるオールインは、認識不足で間違ったコールやレイズが起きてしまうと大きなトラブルとなります。
厳格なトーナメントにおいてはオールイン宣言が行われると、テーブル上に ”ALL-INボタン” が置かれ、上記のようなトラブルを未然に防ぐ工夫がなされています。
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《3.ストリングベットの禁止》
ストリングベット(String Bet)とは「一続きの賭け」という意味で、ベットやレイズの動作を断続的に行うことを指します。
これを認めてしまうと、賭けを行うプレイヤーは相手の顔色を伺いながらチップを小出しに提示し、幾らまで積むかを決めることが出来てしまいます。
また、この動作に時間が割かれると他のプレイヤーの迷惑にもなりますし、ルールを裁定するディーラー側もどこまでを有効な賭けと見なすのかの判断が難しくなります。
そのため、今日では「ベットやレイズでチップを提示する場合は一回の動作で済まさなければならない」というストリングベットを禁止するルールが定着しています。
もちろん、事前に発声があれば全てに優先されるので、2回以上の動作になっても構いません。
また、手元で自身のチップ量を数える分には提示行為には当たらず、問題ありません。
大量のチップを賭ける時は先に発声を
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《4.ショーワン・ショーオールの原則》
何だかラグビーの精神(ワンフォーオール・オールフォーワン)に似てますが、こちらは一人に見せたカードはテーブル上の全員に見せなければならないという、情報の平等性を保つために採用されたルールです。
あるプレイヤーがカードをマック(伏せたままカードを捨ててフォールドする行為)する直前に、仲の良いプレイヤーへチラッと中身を見せるケースがこれに当たります。
この場合、他のプレイヤーからの指摘やディーラー側の判断により、当該カードをテーブル上に開けて全員に見せる必要があります(まだ他者がプレイしている場合は決着後に公開)。
ポーカーにおいて、カードの中身が何であるかを知ることは誰しもが気になる所です(各人がその情報を操るためにチップを毎回積んでいるといっても過言ではありません)。
「このプレイヤーはどんなカードで勝負を諦めたのか」、「このプレイヤーはどんな手札なら勝負に参加するのか」、その情報が一部の参加者に知れ渡ってしまった(Show
One)以上、それは参加者全員で共有するべき情報(Show All)となる事を意味します。
仲間内のゲームなら特に気にならない事ですが、公式の場所では厳しいルールが適用される場合も多いので、あらかじめ知っておくべきでしょう。
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《5.ハンドに関する発言の制約》
テキサス・ホールデムにおいて、コミュニティカードに同じスーツ(柄)や絵札などが一様に並ぶことも少なくないですが、そんな時に「ハートが2枚あればフラッシュか」とか「フルハウスの可能性が出てきたぞ」など公に言うのは望ましくありません。
なぜなら、プレイしている参加者の中には発言した手役や可能性について気づいていない場合があるからです。
もし、そのプレイヤーに上記の発言が耳に入れば、その後の行動にも変化が生じ、結果的に勝者が別人になってしまう可能性があります。
このルールは厳格にペナルティとして採用されない場合もありますが、情報戦のゲームにおいて余計な情報を提供することはマナーに反すると考え、慎むようするのがベストです。
思いがけない札が出るとつい口が・・・
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